北陸鉄道と炭鉱電車の旅(ステーションゼロ)
中島信号場を体験して、各駅に停車しながら大牟田駅に到着した。大牟田は炭鉱の町で、かつては市内と三池港を結ぶ三井三池炭鉱の専用鉄道が運行されていた。しかし炭鉱の閉山に伴い廃止され、一部残っていた三井化学の専用鉄道も2020年5月には廃止となった。しかし炭鉱鉄道の車両を残す取り組みも行われ、今日はそういった車両を見て回る予定である。炭鉱鉄道は電気機関車で運行されていたが、当地では電気機関車のことを炭鉱電車と親しみを込めて呼んでいた。それと3月31日までの予定で炭鉱電車スタンプラリーが開催されていて、4か所でスタンプを押すと缶バッジがもらえるのでそれも楽しんできたい。
まずは大牟田駅にある観光案内所でスタンプ用紙を手に入れ、ここで一つ目のスタンプを押す。その後西鉄大牟田駅でレンタサイクルを借りる。レンタサイクルは意外と人気で、私が借りたのが最後の1台だった。これが借りられないと今日のスケジュールが成り立たないから助かった。
まず向かったのは動態保存している炭鉱電車に乗れるステーションゼロである。ここは地元の運送業者白石ホールディングスが昨年オープンした施設で、炭鉱電車の保存や資料展示に取り組んでいる。
大牟田駅から約15分、11時少し前にステーションゼロに到着した。この日は3月だというのに夏日に達する暑さで上着を脱いで自転車を走らせた。大牟田の街は車道も広いが歩道も広く、歩道を自転車で走っても全く問題なかった。受付を済ませ、入場料金500円と炭鉱電車の料金500円を支払う。受付でスタンプラリーのスタンプも押しておく。
受付を済ませるとちょうど試運転を行なっている時間帯だった。踏切もあり本格的である。架線が張られておらず後部に連結されたディーゼルカーで走行する仕組みである。
炭鉱電車に乗った誘導員の手旗信号でディーゼルカーを進行させる。
炭鉱電車の乗車は11時から始まる。私がこの日いちばん最初の乗客となった。
乗客は炭鉱電車の運転席に乗せてもらえ、発車するときには床下のペダルを踏んで汽笛を鳴らすよう指示され、汽笛とともにスタートした。走行する距離は20メートル程度だが、それでも普段乗れない鉄道に乗ったことになるので私としては大満足である。1回の料金で2往復してくれた。私の乗車が終わると相次いで2組の家族が乗車した。
炭鉱電車は2両あり、もう1両は静態保存で動かないが車両内部は見学できるようになっていた。このような歴史的価値のある車両を1民間企業が保有し、一般に公開してくれているのは非常にありがたい話だ。
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