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16時03分、万博記念公園駅中線から彩都線へ向けて出発する。
左手には太陽の塔が見えている。私は1970年の大阪万博には行かなかったが、同行者の中には行ったことがある人がいて、北大阪急行の万博駅や会場内モノレールやロープウェイなどに乗った強者もいた。おそらく小学生の頃と思われるが、その時から鉄分豊富だったようだ。
貸切列車は各駅に停車しながら進んで行く。停止目標で停車すると係員操作無しでホームドアが自動で開く仕組みなので運転士は所定の停止位置の少し手前で停車させている。
16時15分、彩都線の終点彩都西駅に到着。ここからこの駅の引き上げ線に入る。先行車両が出庫するとポイントが開通し、引き上げ線に入れるようになる。
左にはもう1本線路があるが、こちらは本線列車の安全側線になっている。引き上げ線側にポイントが開いているとホーム進入時に25キロの速度制限を受けるためらしい。
こちらは引き上げ線から本線に入る様子。
コバトパンでのおみやげ引き換えを終え、天満橋、東梅田、千里中央と乗り換えて大阪モノレール万博記念公園駅に到着した。これから乗り鉄仲間のIさんプロデュースによる万博記念公園車庫線発引き上げ線乗り歩きツアーが始まる。改札前15時30分集合で仲間が三々五々集まってきた。そのうち3名は別のイベントを終えての集合で、その予定が長引きタクシーと新幹線を乗り継いで15時31分に到着した。今日の参加者は10名でほとんど知った顔である。
まず駅に隣接する車両基地に徒歩で移動し職員専用通路から入場する。これから乗る列車はすでに待機していて、引退も近いとされている1000系4両編成だ。これを貸し切って乗車する。
乗車した場所は17番線の1区と呼ばれる場所で、奥にもう1編成止まっていてそこは2区と呼ばれており、ひとつの線をふたつに区切って使用している。ここからは直接本線に出場できないのでまず車庫内の6番線に引き上げる。モノレールの分岐器は軌道桁が大きく動く仕組みで独特だ。
6番線の奥まで進んだところ。
ここから進行方向を変える。
本線に出場していく。
万博記念公園駅中線に入った。
暑さをしのぐためローソンで買ったアイスを食べながら、次の目的の大阪城御座船の御船印収集に向かう。ローソンからだと歩いて10分ほどの距離になる。大阪城も見えている。
城内にはロードトレインが運行されていて外国人観光客が大勢乗っていた。屋根が付いているからいくらか暑さが和らぐだろう。ロードトレインは鉄道に似た乗り物ではあるが、線路がなくゴムタイヤで動くので私の乗りつぶしの対象にはなっていない。
大阪城御座船は大阪城のお堀を周遊する船でグレードも高そうだ。御船印も金色で700円もするものだった。今日の御船印の収集はここで終わりになる。
しかし炎天下のなか、ここからさらに15分ほど歩いてコバトパンの工場に着いた。ここでずらし旅のクーポンを使用して、おみやげを引き換える。前にも利用したことがあるが、新幹線0系のデザイン缶に入ったビスケットだ。日持ちするのでおみやげに具合がいい。
神戸・関空ベイシャトルの御船印を手に入れ、続いて向かったのが大阪の水上バスアクアライナー乗り場だ。ポートライナー、新快速、大阪環状線と乗り継ぎ、大阪城公園駅で下車する。
ここから3分ほど歩いたところにアクアライナーの乗り場がある。日差しはますます厳しくなり歩いている人はあまり見かけなくなった。
乗り場は外国人観光客で混雑していた。この暑い時期、日本人はわざわざ水上バスには乗りに来ないだろう。
御船印はご覧のようなものでアクアライナーを上から見たイラスト。上から見たものは珍しい。
御船印を手に入れて、次の目的地御座船乗り場に向かう。その途中、ローソンに立ち寄る。ここは前にも来たことがあるが、店の前にSLの動輪があり、店内に静態保存のSLが展示されている。店内のSLはガラス張りの中に展示されているが、その前に商品の在庫がうず高く積まれていて中がよく見えないのは残念だ。
神戸海洋博物館・カワサキワールドの見学を終えて次に向かったのが、神戸・関空ベイシャトル乗り場だ。ここでも御船印を取り扱っており、乗船しなくても購入可能である。
地下鉄みなと元町駅から三宮・花時計前を経由して、ポートライナーに乗り換え前面展望を楽しみながら神戸空港駅に到着。改札を出て右に行くとベイシャトル乗り場になる。乗り場はここからも見えるが意外と距離がある。
日差しはかなり強く炎天下を5分ほど歩き、大汗をかいてたどり着いた。
高速船のイラストの御船印でシンプルなデザインだ。
ここから高速船で40分ほどで関西空港に行くことが可能で乗ってみたいが、今回はパスする。ポートライナーを降りてこの乗り場にやってきた利用者は見かけなかったが、実際どういう人が神戸空港・関西空港間を船舶で移動するのだろうか。
兵庫津ミュージアムで御船印を購入し、続いて向かったのが神戸海洋博物館である。神戸海洋博物館は港町神戸の近代神戸港開港120周年記念事業として建設され、神戸の街と海・船・港の歴史と未来を伝える資料、映像などが展示されている。それとともに神戸の企業川崎重工業の企業博物館カワサキワールドも併設されている。
兵庫津ミュージアムを出ると、まだ10時前だというのにかなりの暑さで、セミも大合唱していて歩くのも嫌になった。この暑さでは熱中症の危険もあるので、私はアプリでタクシーを呼んだ。すぐにタクシーが捕まり3分ほどでやってきた。流しのタクシーを見かけないところだったが、文明の利器のおかげで楽に移動できた。
まず入館料900円を支払う。これで併設のカワサキワールドにも入れる。入り口には大きな帆船の模型があり、その他にも数々の船の模型が展示されている。
続いて併設のカワサキワールドに入る。川崎重工は創業者の名前が川崎で、地名の川崎とは関係がない。高校の時、世界史の教育実習生が川崎重工をやめて教員を目指している人で、その人がそんな話をしていたことを突然思い出した。
川崎重工業は船舶を祖業とするが、現在では鉄道車両、オートバイ、航空機など広く輸送用機器の製造を行っていて、その展示物が非常に充実していた。満鉄の特急あじあ号の機関車も同社の製造だった。
最後にミュージアムショップに立ち寄り御船印を購入。海洋博物館とカワサキワールドの両方を購入でき、2枚でひとつの絵柄を構成するようになっていた。
右が海洋博物館でロドニー号という帆船のイラスト、左がカワサキワールドでジェットファイルのイラストになっていた。
ひかりは小田原、静岡と停車し、名古屋発車時点で半分くらいの乗車になった。新大阪に定刻に到着し、東海道線で神戸に出て、そこから神戸市営地下鉄海岸線に乗り換え中央市場前で下車した。まず向かったのが兵庫県立兵庫津(ひょうごのつ)ミュージアムだ。ここはかつて初代の兵庫県庁が置かれた場所であるとともに、さらにそれ以前には兵庫津という港が設けられ、日宋貿易や日明貿易の拠点となった場所でもある。
そういう由緒あるこの地に令和3年から4年にかけて、初代県庁館とひょうごはじまり館が開設された。本来であればそういった施設をじっくり見学したいところだが、私の目的はここで販売されている御船印の購入だ。実際この施設で船の運航が行われているわけではないが、海に関連する施設として御船印が発売されている。博物館などでも御船印が発売されていることがあり、実際に乗船しなくて済むのは時間や費用の節約になるのでありがたい。
こちらが御船印。昔兵庫津を出港したであろう貿易船らしきものが描かれている。
御船印を購入するとミュージアムの入場料金が250円に割引になるとのアドバイスがあり、当初は見学するつもりはなかったが、それに従った。施設の中では平清盛時代の日宋貿易や足利義満の日明貿易などで兵庫津が重要な役割を果たしたことなどが絵巻やパネル展示で解説され興味深い内容だった。さらに初めて知ったのだが、伊藤博文はわずか26歳の時、初代兵庫県知事になったらしい。
ミュージアムの隣には初代の兵庫県庁の建物が復元され、伊藤博文が執務したとされる部屋も復元公開されていた。
本日最初の列車はずらし旅で予約した新横浜始発6時ちょうどのひかり533号だ。JR東海のずらし旅はそれまで座席を指定することができなかった。それが今回から可能になったのだが、自分の希望の席を指定するには2段階のステップが必要だった。まず予約段階ではシートマップが現れず、列のみしか指定できない。つまりA席からE席までの好みの席を選択できるだけなのだ。すると予約完了のメールが来て、どこの席が予約されたかが判明する。その後予約確認画面から座席変更操作をするとシートマップが出てきて、好きな席に変更できるようになっていた。最初からシートマップが出てくればいいのだが、そういう仕様にはなっていない。
またずらし旅の予約がエクスプレス予約と連動する形になっていて、代金はエクスプレス予約に登録してあるクレジットカードから引き落としになる。以前はJR東海道ツアーズのサイトに登録してあるカードからの引き落としだった。そういう変更に同意したつもりはなかったがいつのまにかそうなっていた。
また予約変更は可能だが、ずらし旅は列車の乗車時間帯により料金設定が異なるので、料金区分の変更がない範囲で変更が可能となっている。それと従来は乗車券部分が市内駅発着として発行されていたが、今回から乗車駅基準となったのでデメリットに感じる人もいるだろう。
そんなこんなはあったものの予約自体は問題なく完結していており、ICカードで無事乗車できた。日曜日の早朝なので席は空いていて新横浜発車時点で10%くらいの乗車だった。
乗り鉄仲間のIさんの企画で7月21日に大阪モノレールの車庫線に入れる貸切電車が運転されることになった。万博車庫から出発して彩都西駅引き上げ線、千里中央駅引き上げ線、門真市駅引き上げ線に入り、万博中央駅を経由して万博車庫に戻るという引き上げ線、車庫線満喫ツアーなのだ。これに参加しない手はない。Iさんの企画では今まで豊橋鉄道市内線、八戸臨海鉄道などの企画でも普段乗れない線に乗せてもらい、いつもながら感謝である。
大阪日帰りになるのでJR東海のずらし旅大阪を利用する。今までずらし旅は切符が郵送される方式だったが、交通系ICカードを登録すれば切符の受け取りが不要になったり、席番指定予約や列車変更も可能になったらしい。そのあたりの使い勝手も気になるところだ。
集合は万博中央駅に15時半なので、それまでの間に大阪周辺の御船印収集を行なっておこうと思う。大阪周辺には乗船しなくても手に入れられる御船印が数ヶ所あるのでできる限り収集しておきたい。
ということで7月21日に大阪日帰りで行って来ることになった。
最近気が付いたのですが、4月から指定席券売機で切符の払いもどしができるようになりました。一定の制約があるようですが、みどりの窓口に並ばなくてもこれで払いもどしができます。最近はみどりの窓口が閉鎖され、ところによってはかなり遠くまで行かなければならないこともあるのでサービスが改善されたと言えるかもしれません。ただ払いもどし手数料は窓口でも券売機でも同額です。
それにしても乗り鉄の私ですらこの取り扱いが始まったことを最近知ったばかりなので世間での認知度はかなり低いでしょう。もっとPRしたらいいと思いますが裏の事情があるのでしょうか。
最近はネット予約でチケットレスで乗車することが多く、キャンセルはネット上で完結するので、券売機による払いもどしはあまりお世話になる機会はなさそうですが、選択肢が増えたことはいいことです。いつか試してみたいと思いました。
19時定刻に苫小牧港を出港。船内レストランでバイキングの夕食を取る。ビールは別料金で600円だ。北海道航路なのに奄美大島名物の鶏飯(けいはん)があり、それもおいしくいただいた。
食事が終わるとシアターでラウンジショーが始まった。キーボード、電子楽器を駆使した演奏会で、荒城の月、コンドルは飛んで行くなどが演奏された。
この日は団体の乗船があり、大浴場が混んでいたので翌朝早朝に入ってみた。先客は1名でゆったりと入浴できた。
朝食会場の入り口。これから車を運転するのでビールは飲めないが、この船は名古屋まで行くのでその中には朝からビールを飲んでいる人もいてうらやましい。
レストラン以外にカフェもあるので、こちらで食事をすることも可能なので安く利用できる。
仙台港には10時に到着した。岸壁にはコンテナ車がたくさん停まっていて、ここが物流の拠点であることを実感する。
仙台港に到着するとアナウンスがあり、車両甲板に下り、船体前部から下船した。
その後東北自動車道に乗り、休憩を取りながら家路に着いた。
今回の旅では走行距離が2,000kmを超えるロングドライブとなったが、新車でパワーもある車なのでとても快適なドライブが楽しめた。交通違反や事故もなく無事帰ってくることができたことが何よりだった。温泉も堪能し、食事も満足で、そのおかげで体重がかなり増えてしまった。釧路川カヌー体験やエスコンフィールドの野球観戦も楽しかった。帰りたくない気持ちにかられたが、また来る楽しみができたということも言える。天候にも恵まれ楽しい北海道旅行だった。
これで「新型クラウンで行く初夏の北海道ドライブ」を終わります。
道の駅D51ステーションで追加のおみやげを買ったりしてから17時頃苫小牧西港に到着した。本日の走行距離は289km、平均燃費は23.0km/Lとなった。フェリー乗り場には北海道ツーリングを終えたバイクもたくさん停車していて、仲間と旅の感想を語り合っている。
ターミナルビルに移動し乗船手続きを行う。新日本海フェリーの時はなかった車検証の提示を求められる。料金の支払いは新日本海フェリーの場合は予約時に決済されたが、太平洋フェリーは予約時にクレジットカード番号は入力するものの実際に引き落としは乗船日当日になっていた。船会社によっていろいろ流儀が異なる。乗船する船はいしかりで名古屋港まで行く。私は途中で下りるので「仙台」と書かれた札を渡されバックミラーのところにぶら下げるよう指示を受ける。
手続きを済ませ車に戻ってくると先ほど道の駅で見かけた箱スカ軍団がやってきた。私と一緒の船で帰るようだ。彼らも道の駅で時間調整をしていたのだ。
乗船は船前部のハッチをあげて、そこから入る。
船内に入り係員の誘導で停車させる。前回乗ったときもそうだったのだが太平洋フェリーの誘導員の指示は厳しく、右側の壁に余裕をもって駐車させたところ、もっと右にくっつけるようやり直しを命じられた。新車なのでこすったりしたくないので慎重に移動させた。
車両甲板から客室に移動する。今回は1等和洋室を予約してある。往路の新日本海フェリーと同様、ソファー付きでくつろげる部屋だ。
出航前にデッキに出てみる。隣に見えるのは大洗行きのさんふらわあでこちらより15分早く出航する。
御船印を購入。いしかり乗船記念のいい思い出になる。
帯広から道東自動車道でフェリーターミナルのある苫小牧に向かう。片側1車線の対面通行の区間が多く、対向車に気を使いながら慎重に運転していく。トマムのリゾートホテルを右手に眺めながら、北海道の屋根と呼ばれる景色のよい区間を走ること約2時間で道の駅あびらD51ステーションに到着した。ここは前にも来たことがある。道の駅に併設してD51とキハ183系特急気動車が展示されている。
駐車場に車を停めると、いわゆる箱スカと呼ばれる今から50年以上前の日産スカイラインが10台くらい停まっていた。ナンバーは本州のもので愛好家のグループが集まって道内ドライブをしているのだろう。ドアミラーではなくフェンダーミラーなのも懐かしい。高校の担任の先生がこれに乗っていたのを思い出す。
キハ183系を見学していると、その後ろに前回は見かけなかった貨車のワム3両と車掌車ヨ1両が展示されているのに気が付いた。石炭輸送など貨物が主力だった地方ならではの展示だ。
D51の動輪のモニュメントも設置されていた。
さらにその隣にはミニ鉄道の円形線路が敷設されていた。イベント時などに運行されるのだろう。機会があれば乗ってみたい。
阿寒湖のホテル「阿寒遊久の里鶴雅」を後に足寄を経由して帯広に向かう。足寄駅は既に廃止になって道の駅になっているのに交差点名はいまだに足寄駅前となっている。
帯広市内に入り、地元スーパーでサッポロクラシックの季節限定バージョン「夏の爽快」をひと箱購入。それから北海道限定のカップ焼きそば「焼きそば弁当」も購入。北海道に来たからには地元でしか買えないものを買っておきたい。
続いて六花亭の帯広本店に到着。駐車場が混んでいて店の前でしばらく待たされた。ここで会社用のおみやげなどをまとめ買いしておく。
おみやげとは別にサクサクパイも購入する。店内にイートインスペースがあり以前は無料でコーヒーが飲めたのだが、今はコーヒーが有料となっていたので、テイクアウトして車の中でいただいた。サクサクパイは賞味期限2時間と短く、できたてほど冷たくてサクサクしておいしい。帯広に立ち寄ったら外せない一品だ。
今日が北海道最終日になる。あっという間に1週間が終わってしまった。帰りたくない気分でいっぱいだ。朝食前にホテルの周辺を散策してみる。気温は低いがかえってそれが心地よい。阿寒湖越しには雄阿寒岳が見えている。自然豊かな環境で、こういうところでのんびり暮らしたいものだ。
ホテルの庭でキタキツネなどを見ることもできた。
朝食は昨晩と違ってバイキング方式である。左上にあるのはまりも豆腐。透明なビニールに包まれていて、楊枝で刺すとビニールが破れて食べられるようになる。
朝食会場からも雄阿寒岳が見えている。
朝食を済ませてホテルを出発しようとすると、女将と昨日の夕食の時の担当者があいさつに出てきてくれた。「また来てください」「また来ます」とお互いあいさつとしてホテルを後にした。ぜひ来年も訪れたいと思った。
釧路川カヌー体験などを経て阿寒湖にやってきた。本日の走行距離は145km、燃費は20.6km/Lとなった。今日泊まるのは阿寒遊久(ゆく)の里鶴雅で今までも何回か泊まったことのある宿だ。以前は車寄せに停めると担当者が乗ってきた車を駐車場まで運んでくれたが、今回は駐車場まで自分で運転して送迎バス利用となった。
フロントでは女将が出迎えてくれ、「私もKと申します。以前もご利用いただきいつもありがとうございます」とあいさつされ、同姓の方だったことを知った。前に泊まったのは5年前だからよく調べてくれていたものだ。
前回は専用ラウンジでの受付だったが、今回は部屋での受付だった。部屋は阿寒湖に面した露天風呂付きで、バードウオッチングができるように双眼鏡まで備えてあった。
こちらは1階にある専用ラウンジ。フリードリンクでお酒もある。清里町のじゃがいも焼酎「北海道清里」があったので一口だけいただいた。
阿寒湖が臨める大浴場の露天風呂でひと風呂浴びた後、夕食は半個室の部屋でいただく。
担当の方のおすすめで日本酒をいただく。このホテルからはコロナ禍の時、宿泊をお待ちしている旨の手書きの葉書をいただいた。その話をすると私もそれを書きましたとのこと。他のホテルからはそういう便りはなかったので特に印象に残っていた。その記事はこちら。http://mktabi.cocolog-nifty.com/blog/2020/06/post-d207a6.html
日本酒は入り口にズラリと並んでいた。
締めの炊き込みご飯もおいしかった。
約1時間20分ほどのんびりと川下りを楽み、終着点の岩保木水門に到着した。日差しもなく快適なクルーズだった。このあたりはこの日みたいな晴れるでもなく曇るでもない天候のことが多いらしい。
岩保木水門は釧路市内の洪水防止のため1931年に設置され、ここで旧釧路川と新釧路川が分流する。洪水が想定される場合は水門を閉じ、平時は舟運のため水門を開ける運用を想定していたが、鉄道の開通や新釧路川の水運整備などで水門を開ける必要がなくなり、また水門を開けると釧路港に土砂が流入するなどの問題もあり「開かずの水門」として現在に至っている。水門自体は老朽化により1985年に新水門に切り替えられたが、旧水門もその歴史的価値から保存されている。
乗ってきたカヌーをワゴン車の屋根に乗せて出発地点に戻った。コースの途中ではスタッフの方が写真撮影をしてくれていたが、これが後ほどメールで送られてきた。昔はこういう写真を割高なお金を払って買わされることがよくあったが、今はこうなっているようだ。時代は変わったものだ。
カヌー体験を終えて、スタッフの人からおすすめと紹介された細岡展望台に来てみた。釧路川の蛇行の様子がよくわかる。ここにも外国人観光客が訪れていた。ここには1999年に訪れたことがある。その時の記事はこちら。あの時は観光客はひとりもおらずセルフタイマーで撮影した。
http://mktabi.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/1999-de1f.html
その後立ち寄った900草原。900ヘクタールあるのでそう呼ばれる。
雄別鉄道と鶴居村営軌道の立体交差を見学してた後、次に向かったのが釧路湿原の中を流れる釧路川のカヌー体験だ。JR遠矢駅近くにある釧路マーシュ&リバーという会社で11時20分からの昼便を予約してある。この便は3組の参加だったが、集合時刻の30分も前に着いたのに他の組もすでに到着していた。受付で手続きを済ませ、傷害保険込みで一人1万円の料金を支払う。カヌーの乗り場はここから車で15分ほど行った細岡カヌーポートで、ワゴン車に分乗しコースや注意点などを聞きながら現地に向かう。ワゴン車の屋根にはこれから乗るカヌーが乗せてある。コースは細岡カヌーポートから岩保木水門カヌーポートまでの約8kmで、1時間20分かけてゆっくりと下ってくる。使用するのはカナディアンカヌーと呼ばれる安定性に優れたカヌーとのこと。
細岡カヌーポートに到着し、救命胴衣を装着するとともに再度注意事項やパドルの使用方法などのレクチャーを受ける。救命胴衣は正しく装着していれば転落しても必ず仰向けに浮き上がるようになっているのであわてず助けを待つよう指示を受ける。
我々の出発と入れ替わりに別の隊が到着した。
川の流れは極めて緩やかでのんびりしたカヌー体験ができる。パドル操作を教わったものの、ガイドの方が漕いでくれるので実際に自分自身で漕ぐことはほとんどなかった。
釧路川の右手には釧路湿原が広がっている。時々野生動物が姿を見せてくれる。こちらはタンチョウの幼鳥。鶏冠が赤くなっていないので子どもと分かるらしい。
釧路湿原は基本的に葦(よし)が繁る平地が広がっている。湿原なので樹木が深い根を張れないので大きな樹木はほとんど生えていない。時々見かける樹木はいずれ自然に倒壊してしまうとのこと。そういう樹木が時々川岸に倒れていた。画像では見にくいが湿原の向こうには雌阿寒岳、雄阿寒岳など阿寒の山々が見えている。
これも画像では分かりづらいがオオワシが2羽隠れているのをガイドの人が教えてくれた。見かけは小さいが羽を広げると2mにもなるらしい。
川はかなり蛇行していて、こういう蛇行がだんだんに直線化していって三日月湖が残るとのこと。
北海道5日目をスタートする。いよいよ北海道も今夜が最後となる。まず最初に向かったのが雄別鉄道の廃線跡だ。雄別鉄道は釧路駅と雄別炭山間44.1kmを結ぶ鉄道して1923年に開業し、石炭輸送と旅客輸送を行っていたが、雄別炭鉱の閉山に伴い、1970年に廃線となった。
その廃線跡がサイクリングロードになっていて阿寒町まで続いている。全線を歩くのは無理だから旧鶴野駅周辺を歩いてみた。駅のホーム跡と思しき構造物も残っていた。
さらに歩いていくと、かつて雄別鉄道と鶴居村営軌道が立体交差していた場所に来た。鶴居村営軌道は1926年に開業し、その後雪裡線と幌呂線の2線を有するに至ったが、1970年に廃止になった簡易軌道である。両線とも運行本数が多いわけではなかったから平面交差で処理する方法もあったと思うが、わざわざ立体交差を設けていた。しかも簡易軌道のほうが開業が遅いから、簡易軌道が雄別鉄道の上をまたぐように設置されたわけで相当大がかりな工事だったのだろう。その甲斐もあってか当時の橋台がまだ残っているのである。右側にあるコンクリートの塊がそれである。釧路市の原野の中でローカル鉄道同士が立体交差していたわけで信じがたい光景である。左側の橋台は樹木に埋もれて見えないがどうもすでに存在しないようだ。
廃線から50年以上、開業から100年近く経つにもかかわらず、風雪に耐え、よくぞ今まで残ってくれていたものである。
厚岸から約1時間で釧路市内に入ってきた。本日の走行距離は242km、燃費は21.3km/Lだった。この日はドーミーイン釧路という温泉併設のビジネスホテルに泊まった。料金も手ごろで朝食のバイキングがおいしいので人気の宿だ。夕食は以前も来たことがある岸壁炉端に行ってみた。幣舞橋の下流寄りにある掘っ立て小屋のような店で、併設されている店舗で食材を買って自分で炭火で焼いて食べる店だ。
食材はカキ、ホタテ、ホッケなどの魚介類、串焼き、野菜、ご飯類など各種あり、金券を買って精算する仕組みになつている。
食事を終えてライトアップされている幣舞橋を見て、そのたもとにあるホテルに戻った。すぐにお風呂に入りたいが、かなりの混雑だったので夜入るのはあきらめ、翌朝5時くらいに行ってみた。客は2~3人でゆっくり入れた。露天風呂もあり、釧路市ような都会の中心部で露天風呂に入れるとは珍しい。人気があるのはそのせいだろう。
朝食のバイキングメニュー。自分で作る海鮮丼が大人気だ。私もイクラ、ホタテ、ネギトロ、エビなどをたっぷり乗せて海鮮丼を作ってみた。北海道の乳酸菌飲料ソフトカツゲンが飲めるのもうれしい。
浜中町営簡易軌道の保存車両を見学した後、すぐそばにあるコープ浜中でソフトクリームを食べた。ミルクたっぷりのソフトクリームで地元の人にも観光客にも大人気だ。前にも食べたことがあるが、以前は300円くらいだったが、今は400円に値上がりしていた。私が食べている合間にも10人くらいの客が入れ代わり現れてその人気が感じられる。
アイスを食べて、コープのそばにある茶内駅にも行ってみた。ここはルパン三世の作者モンキーパンチさんの出身地として知られ、駅前にはルパンがお待ちかねだ。左の女性は見たことがないが峰不二子にしては可愛すぎる。
北海道4日目で雨の中を走行したりしたので、車の汚れがかなり目立ってきた。茶内駅を出て国道に合したところにあったホクレンのガソリンスタンドで給油と洗車をする。給油も新潟港の手前でしたのが最後なのでここまで約800kmくらい走行した。ハイブリッド車なので燃費は良く、ここまで無給油で来られた。
茶内の町を後にして、釧路へ進路を進める。途中、道の駅厚岸グルメパークに立ち寄る。厚岸はカキの産地で道の駅内にはカキが食べられる店がいくつも入店していた。ここは高台になっていて厚岸駅も見える。厚岸駅の跨線橋は日本最東端の跨線橋とのこと。
知床峠での羅臼岳の絶景を楽しんだ後、峠を下り、羅臼の町を経由して、中標津町の武佐神社にやってきた。ここに簡易軌道の転車台が残っているとのネット情報があったからだ。しかしここに来てみると転車台の跡らしきタイヤが置いてある丸い地面はあったが、以前ネットで見た案内板は見当たらなかった。この場所で間違いないはずだが埋め戻してしまったようで残念だ。
残念な思いで車を進め、セブンイレブン別海宮舞店で休憩を取る。アメリカンドッグを購入。北海道ではアメリカンドッグに砂糖をまぶして食べる習慣があり、ここでも砂糖、ケチャップ、マスタードの中から好きなものを選べるようになっていた。
さらに車を進め、浜中町営簡易軌道の秩父内乗降場跡にやってきた。浜中町営簡易軌道は1927年開業で、茶内駅を起点に東円線、西円線、若松線の3路線を有していた。生乳輸を中心に旅客運送も行っていたのだが、道路整備の進展などで1972年に廃止になった。奥に見える建物が当時の保線詰所らしい。廃止から50年以上経過しているが老朽化は感じられない。よくぞ今まで残っていたものだ。ちょうど作業員の方が草刈りの最中だったが、見学しやすいように維持されているのがうれしい。その方は本州ナンバーの私の車に驚くとともに、「茶内駅近くの保存車両は見ましたか?」と尋ねてくれた。
その保存車両は浜中町農村広場に展示されている。以前はわかりにくい場所にあり車両も老朽化していたが、展示場所が移転し車両もリニューアルされ見違えるほどになっていた。先ほどの保線詰所ともども浜中町の力の入れようが感じられる。
前回訪問時の様子はコチラ。
霧の知床を後にして釧路方面に車を進める。知床峠への上り坂を進んでいくと、5分ほどで急に霧が晴れ、羅臼岳が姿を現した。この天気の変わりようはどうしたことだろう。ここはオホーツク海と太平洋の分水嶺で気候の変化が激しいのだろう。知床峠はちょうど峠部分に駐車場があり、そこから写真を撮る。
遠く国後島もはっきりと見えている。実質的にロシア領となっており、日本への返還が難しいのは残念だ。北方領土返還のプレートも設置されている。ここからの距離はおそらく30km程度でそれほど遠くはない。国後島民はどんな生活をしているのだろう。
多くの観光客が羅臼岳をバックに写真を撮っている。これほどの天候に恵まれ、ここにやってきた観光客はラッキーだ。
北こぶしを出て、北海道4日目の旅をスタートする。まずホテルから20分ほどのところにある知床五湖にやってきた。ウトロもそうだったが、ここも霧に包まれている。晴れていれば知床の大自然が楽しめるのに残念だ。駐車場に車を止めて高架木道を歩き始まる。 木道の脇には高圧電線が張り巡らしてあり、熊が近づけないようになっている。
入り口から15分ほど歩いて終点に到着。霧は晴れる気配がない。晴れていれば目の前には五胡のひとつの一湖が広がり、知床連山を見渡せるのだが残念だ。一湖以外にあと四湖あるが、そこに行くにはガイド付きの有料ツアーに参加する必要がある。
帰りもひたすら霧の中を戻る。所要時間は往復で30分ほどである。
本日6月18日の走行距離は206km、平均燃費は27.4km/Lとなった。今日の宿は「北こぶし知床ホテル&リゾート」で今までも何回か泊まったことがあり、温かいおもてなしが印象のホテルだ。コロナ禍を経てホテル内は大幅にリニューアルされ、前になかった足湯やスポーツジムなどが併設されていた。
エントランスではウェルカムドリンクのサービスがあるが、前回までと異なって、なんとアルコールまで飲み放題という驚きのサービスになっていた。ビール、ウイスキー、焼酎などが完全フリードリンクなのだ。
おつまみも取り放題である。あまり飲み過ぎると夜が食べられなくなるので軽く済ましたが、おつまみも豊富だった。
大浴場でひと風呂浴びて夕食のレストラン会場に向かう。混雑防止のため、あらかじめ時間予約制になっている。バイキング方式だが、寿司、パスタ、肉料理、海鮮料理など、その場で調理して盛り付けてくれる食材が多く豪華版だ。料理の皿もプラスチック製ではなく重い陶器製だった。
以前帝国ホテルのバイキングを食べたことがあるが、それよりも上を行く内容である。ここもアルコールも飲み放題で、これで採算が取れるかこちらのほうが心配になる。
部屋の冷蔵庫もフリードリンクで、ミネラルウォーター以外に緑茶、サッポロクラシック、日本酒などがあった。車で来ているので飲みきれないものはお持ち帰りにした。オールインクルーシブ制で全て追加料金無しになっているのだ。
黒岳ロープウェイ、リフトの乗車を終えて国道39号線を北見方面に向かう。石北峠付近はカーブが多く慎重な区間だが、それを過ぎると直線区間が多く走りやすい。ついスピードが出過ぎてしまうが、私の車はセットした速度を維持できる装置を備えているので定速で走行する。北見市内に入り、イトーヨーカドー北見店で買い物を兼ねて休憩する。ここでサッポロクラシックを2箱購入しておく。サッポロクラシックは北海道限定のビールで私の大好きなビールだ。内地では北海道フェアなどの特別な時でないと購入できないから、この機会に買っておく。
ここから5分ほど歩いたところには清月という菓子店がある。カーリング女子日本代表がモグモグタイムで食べていた赤いサイロという人気のお菓子が販売されている。
北見から1時間半ほど走り、「天まで続く長い道」に到着。一直線の道路がかなり先まで続いていて天につながって見える道だ。
10台分くらいの駐車場も設置されている。レンタカーで来ている外国人もいて、こんなところまで来ているのかと驚かされる。
そこからはオホーツク海沿いに出で、オシンコシンの滝に来た。前に来た時は水量も少なく落差もあまりない滝に感じたが、今日は水量落差とも豊かで別の滝のように見えた。
ホテル大雪をチェックアウトし、車で1~2分のところに黒岳ロープウェイの乗り場がある。ロープウェイも広い意味で鉄道の仲間で索道に分類される。私は最近ロープウェイもなるべく乗るようにしているので宿泊場所の近くにこういったものがあるのはありがたい。
黒岳ロープウェイは昭和42年竣工で全長1654m、高低差629mの4線交走式ロープウェイで最大定員101名となっている。稚内公園ロープウェイが2006年に廃止になったので、ここが日本最北の普通索道になっている。私は9時ちょうど発の便に乗った。乗客は10人程度と少ない。稚内公園ロープウェイに乗ったときの記事はコチラ。
出発するとあっという間に高度を稼ぎ、山麓駅がすぐに小さくなった。右手には大雪山系の主峰黒岳が見えている。とがった岩山でマッターホルンを思わせる。
ロープウェイ山頂駅に到着するとさらにその先にリフトがある。このリフトは冬はスキー用、夏は登山用に運行されているのだが、スキー場らしきものは周囲に見えない。線路長1109m、高低差217mの平成3年建設のペアリフトで半時計周りに回転している。
リフトはロープウェイと違って風を受けて自然の空気を存分に楽しめる。高度が高いから気温は低いはずだが、それほど寒さを感じない。ときどき下って来る客とすれ違うが外国人が多い。
リフトの山頂駅(7合目)に到着しリフトを下りる際には係員が引っ張るようにして誘導してくれた。
山頂駅付近は黒岳登山道の入り口になっていて専用の門があり、監視の係員がいる厳重な造りになっていた。
下りのリフトは上りとはまた違った景色が展開する。回りの山々が低く見えるから、ここがいかに高度が高いかよく分かる。
リフトを降りて、10時発のロープウェイに乗り換える。ダイヤは20分間隔なので乗ってきた搬器と同じになると思ったら臨時便が出たのか、行きとは別になったのはラッキーだ。
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