おか鉄!ザ・鉄道体験 in 新見(岡山まで)
DMV乗車を終えて阿波海南発17時28分列車に乗車する。気温が高く西日も強い。駅前にローソンがあったのでアイスを買って車内で食べる。車両は単行ディーゼル車でロングシートとクロスシートが半々の構成でJR四国の最近の標準的な車両のようだ。客は15名程度で高校生とお年寄りという構成だ。乗り心地はDMVよりずっといい。
DMVは鉄道とバスのいいとこ取りで過疎化に悩む地方交通の切り札のような評判だ。鉄道モードの時は渋滞知らずで、バスモードになると線路にしばられず、観光需要のあるところに自由に行け、小型の車両でコストもかからないとされている。だが実際に乗ってみるとそれとは違うような印象を受けた。
線路にしばられないのは確かにその通りで、私もそのために室戸から乗車することができた。ただその道中は快適とは言い難かった。マイクロバス仕様なので、乗り心地が一般の路線バスよりはるかに劣るのだ。道路の継ぎ目を通る時などは搭載している鉄道車輪が音を立てて振動し不快な揺れが伝わってくる。
また原則として座席定員制なので満席で乗れないことがあり得る。実際この日にも予約でいっぱいの便がひとつあった。普段使いする公共交通機関で満席で乗れないというのは本数の少ない地方では理解を得にくい。そもそも予約が必要となると通勤通学はもとより買い物などで利用する人にも使い勝手がとても悪い。今日途中駅で乗ってきたお年寄りはスマホやインターネット予約など使えそうには見えなかった。
車両の導入コストは鉄道よりは安いようだが、マイクロバスがベースなので耐用年数は長く見積もってもせいぜい15年前後だろう。長い目で見ると決して安くはなさそうだ。また特殊な仕様なので、次回の更新時に製造を請け負ってくれるメーカーがあるのだろうか。
この日最初乗ったバスは不具合があり車両交換となったが、阿佐海岸鉄道には全部で3台しかないのにこれでは先が思いやられる。
鉄道線路の維持コストは従来と変わらずかかるだろうし、全体として見るとDMVを導入しても赤字がそれほど減るとも思えない。
至るところに「世界初のDMV」の表示があるので、それをウリに観光需要を取り込もうというのならば分かるが、地方鉄道の赤字削減や交通弱者を守るという目的であればバス転換のほうがはるかにいいのではないだろうか。DMV導入の目的が明確でないような気がした。
阿南で前に1両増結し、19時43分に徳島着。ここから20時32分発の特急うずしおに乗車。特急なのに2両編成だった。うち1両は半車が指定席となっている。全体で20人程度でガラガラだ。2700系特急気動車に乗るのは初めてで力強いエンジン音が聞こえてくる。
高松でマリンライナーに乗り換え岡山21時36分に到着。駅から3分ほど歩いたところにある東横インに宿泊した。
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