夢の山岳鉄道
先日の日経新聞に「富士山登山鉄道」の記事が出ていました。富士スバルラインに路面電車を走らせ、登山客の便を図ろうというものです。世界遺産に登録以降、富士山を訪れる観光客が増えているので、それを打開しようというものです。実現へのハードルは高そうですが、うれしい構想です。
ところで今から30年近く前の宮脇俊三さんの著作で「夢の山岳鉄道」というのがあり、その文庫版が1月にヤマケイ文庫から刊行されました。今から30年も前の著作が今だに文庫化されるとは宮脇人気は衰えを知りません。
山岳観光地への足を鉄道にシフトし、環境負担を軽減しようとする空想の鉄道計画です。本書では日本のみならず外国も含めた16の事例について、宮脇さんの計画が展開されています。路線のルートやダイヤ、車両の編成、運賃設定など具体的な計画が示されています。
その中で富士山への鉄道についても触れられています。宮脇さんの計画では、富士スバルラインを鉄道専用として単線の線路を敷き、余分なスペースは樹木を植えて自然に返すというものです。急勾配区間はラックレール方式で登ります。もちろん「夢の山岳鉄道」ですから、細かいところを付けば計画の甘さはありますが十分に楽しめる著作です。
本書で示された16の計画案はいずれも実現していませんが、それでもこの富士山登山鉄道のように動き出している構想もあるので今後が楽しみです。
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