日本縦断客室鈍行の旅
田中正恭さんという方の「日本縦断客室鈍行の旅」という本を読みました。 昭和51年の夏に稚内から長崎まで旧型客室鈍行だけを乗り継いで旅をした紀行文です。ルートは旧型客室鈍行だけを乗り継いで行ける最長片道切符になっています。
ユースホステルを泊まり歩き、ヒッチハイクをし、硬券入場券を買い集め、列車や宿で多くの人の親切に巡り会えた旅の記録です。決して乗り心地の良くない旧型客室ですが、それも楽しさに感じさせてくれる著作です。
私自身は旧型客室で旅をした経験はほとんどありませんが、それでも背もたれが板張りの座席、黒々とした床、スチーム暖房の暖かさ、タレ流し式トイレ、遅い加速、そんな記憶が本書から蘇ってきました。
スマホもインターネットもコンビニもない不便な昭和の懐かしい旅を思い出させる著作です。クラッセから今年6月に出版されました。皆様も是非お読みになってはいかがでしょうか。
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