受験の思い出10
1981年4月に予備校に入学し、浪人生活が始まりました。予備校での1年間は私の人生の中でも最も勉強した時期です。予備校は御茶ノ水駅聖橋口から徒歩2分ほどのところで、日大病院の裏にありました。校舎は4階建てで、一つの教室に250人ほどの生徒が入り、狭い机に4人がけで隣の人とくっつくようにして授業を受けていました。今振り返るとよくそんな狭い机で勉強できたと思いますが、当時はそれが当たり前だと思っていました。
授業で印象に残っているのは、英文解釈の伊藤和夫講師と現代国語の藤田修一講師でした。伊藤師は主語・述語動詞、修飾・非修飾の関係を把握しながら、英文を頭から読み進み、ピリオドのところでその英文に対する理解が完結する英文解釈手法で、予習の時には英文を全文和訳することを生徒に求めていました。頭では分かっていることが文章にしてみると日本語としてうまく表現できないことに気付き、日本語の勉強にもなりました。
また現代国語の藤田師は文章の「イイタイコト」をつかむため、A、Aダッシュ、Bなどの記号を使い、筆者の主張を解き明かしていく手法で、またチョークを持つ右手が汚れないようにいつも白い手袋をはめているおしゃれな先生でもありました。
電車通学も初めて経験で楽しかったです。当時は京浜東北線は103系、東北線・高崎線は115系、総武線各駅停車は101系で、国鉄鋼製車の時代でした。私鉄では空気バネ車両の導入が以前から進んでいましたが、国鉄はコイルばね、窓も私鉄は1段下降窓、国鉄は2段上昇窓でかなり見劣りがしましたが、それまでが自転車通学でしたので電車に乗れるだけでも楽しかったものです。
時おり授業が休講になったりすると、御茶ノ水周辺の地下鉄を1時間位で一回りしてくることもありました。受験一辺倒では長い受験生活を乗り越えられないと勝手に自分に言い訳して、乗り歩きを楽しんでいたのです。
高校時代は母にお弁当を作ってもらっていましたが、予備校に通うようになってからは昼食は外食でした。高校の時は月5000円のおこづかいでしたが、昼食代込で2万円をもらうようになりました。基本的には予備校の地下の食堂で食べることが多かったのですが、予備校の周辺で食べることもあり、大人になったような気がしました。
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「鉄道雑感」カテゴリの記事
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こんにちは。券面の経由欄の〇近の表記は、どういう意味でしょうねえ。実は初めて見ました。というか、初めて気が付きました。通常の定期券でこのような表記を見た覚えはありません。東北本線経由に絡む乗車券の選択乗車に制限をかける意味なのか。新幹線経由は不可で大都市近郊区間という意味の(近)なのか。どなたかご存知の方、いらっしゃいませんかねえ。謎です。
投稿: railway | 2016年2月 8日 (月) 15時57分
通学定期券も常備券だったのですね。
(近) 推測ですが、最短経路(だから神田に行ってはいけない)という意味ではないでしょうか。
私の上野~神田~お茶の水の定期券は、経由地に神田と表示していた、と記憶しています。
投稿: 京葉ライン | 2016年2月 8日 (月) 20時16分
railwayさん、京葉ラインさん、おはようございます。
○近表示、私はご指摘を受けて初めて気付きました。神田周りはダメなような気がしますが、一般の人に分からない表示では意味ないですね。
それにしても券面をよく見るといろいろな情報を得られるものですね。これからもよろしくお願いします。
投稿: ミスターK | 2016年2月 9日 (火) 07時07分
(近)の意味、色々とお騒がせしました。私は「大都市近郊区間」の(近)の意味かと思っていました。しかし、定期乗車券には経路選択の自由はありませんから、矛盾してしまいます。この(近)は、どうやら京葉ラインさんのおっしゃるように、「近い経路で」という意味の(近)のようです。秋葉原付近の経路選択は秋葉原乗換のみで、神田経由は不可ということになります。現行の定期乗車券でも(近)表示は存続しているとのこと。実見していませんが・・。
それと、経由地に「王子・尾久」とあります。いわゆる京浜東北線でも東北本線でも、どちらに乗ってもいいのですね。経路が指定されているのかと思っていましたが、この区間だけは選択乗車が可能なのですね。
投稿: railway | 2016年2月14日 (日) 14時43分
railwayさん、こんにちは。
今でもこの表示があるのですね。この定期券を買った時には経路の指定はしなかったのですが、神田回りの常備券もあったのでしょうか。
それにしても1枚の定期券からいろいろ読み取れますね。
投稿: ミスターK | 2016年2月16日 (火) 14時32分