終戦の日
今日で終戦70年になります。幸いにもこの70年間、日本が直接戦争に巻き込まれることはありませんでしたが、その間も世界の各地で戦争や紛争があり、多くの人が未だに犠牲になっていることは悲しいことです。戦争を知らない世代が国民の大半を占め、平和の感覚が麻痺し、戦前に戻るような事態があるとしたら、日本国憲法の前文をもう一度読み返すといいと思います。押し付け憲法だという批判もあり、日本語としてこなれていない文章は確かにそうだろうと思いますが、平和を希求する当時の国民の願いが切実に表現されている文章でもあるとも思います。
それはともかく、宮脇俊三さんの「時刻表2万キロ」や「時刻表昭和史」のなかでも終戦の日の記述が出てきます。宮脇俊三さんは山形県の今泉駅で終戦の日を迎えました。正午に重大な放送があるということで、今泉駅で父親とともに下車し、駅前でラジオ放送を聞いたようです。「ラジオが天皇であるかのように直立不動で頭を垂れた」「黙ったまま誰ひとり言葉を交わす人はいなかった」「勅語調の文案は理解しにくかったが集まったひとは大意を理解した」といった記述は日本の転換点を簡潔に示しています。
一方そういう状況にもかかわらず列車はいつもと変わらず運行されていて、逆にそれが宮脇少年の心に強く印象に残りました。変わるものと変わらぬもの、鉄道を視点に見ると、そういったものが明らかになるのかもしれません。
終戦の日を迎え、何を言いたいのかはっきりしない文章ですが、要は宮脇俊三さんの文章を通して平和の意味を考えましょうということでした。
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