「揺れる想い」
私のブログの右上にZARDのブログパーツが貼られているのは皆様当然ご存知だろう。私がZARDのファンになったのは1993年の7月で、ちょうどこの「揺れる想い」のアルバムが発売されたときだ。
それまでもヒット曲の「負けないで」などでZARDのことはなんとなくは知っていたが、あるときレコード店にたまたま足を踏み入れると、このアルバムがかかっていたのだ。タイトルナンバーの「揺れる想い」ではじまり、2曲目が「Season」、3曲目が「君がいない」だった。さわやかで、清楚で、それでいて力強い曲で、一瞬にしてZARDの虜になった。あまり衝動買いをしない私だが、このCDだけは例外だった。
家に帰り、さっそく聴いてみると、作詞がすべてリードボーカルの坂井泉水によるものだったことを知った。透明感のある歌声とその端整な顔立ちに惹かれて買ったCDだったが、その歌詞のすばらしさに別の驚きを感じた。
坂井泉水の詞は通常の作詞家にありがちな凝った言い回しはなく、平易のことばでこころの動きを表現していた。こんな平易な言葉で、人間の感情を深く表現できる坂井泉水の才能に感動したのだ。坂井泉水の詞に私は日本語の美しさを感じたのだ。
たとえば、「君がいない」のラストフレーズはこんな詞で終わっている。
「♪君がいない あの頃の二人も 今はいない 何もかも時間(とき)のすれ違いと感じた その時 切なくgood-bye」
男女の別れにいたった理由を、互いの事情ではなく時間というものに置き換えて表現し、その悲しさを「good-bye」という言葉で断ち切る、その簡潔で凝縮された表現に感動したのだ。
前回までに、宮脇俊三先生、伊藤和夫先生に美しい日本語とはどういうものか教えてもらったとお伝えしてきたが、私にとっては、この坂井泉水もそれに匹敵する人物なのだ。
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