北東北フリーきっぷの旅(五能線2830Dその2)
五能線は荒々しい冬の日本海が眺められるローカル線で昔から人気が高かったのだが、白神山地が世界遺産に登録されて以降、さらにその人気が高まり、リゾートしらかみという観光列車も運行されるようになった。
私が乗っている列車は途中の鰺ヶ沢で後ろ2両を切り離す。その作業を含め、24分も停車する。老人男性のグループはこの時間を利用し、鰺ヶ沢の漁港を眺めると言って、いったん改札を出て行った。結構雪が降っているのだが。
14時50分鰺ヶ沢発。ここから深浦にかけての区間が最も豪快な日本海が眺められる区間だ。私も窓外を眺めるとともにデジカメで写真を撮る。同席の酔っ払い男性も同じことをしている。
「観光の方ですか」同席の男性が声をかけてきた。
「ええ、そうです。千葉県から来ました」
「私らもグループで旅行してるんです」
「会社の仲間ですか」
「いや、高校の同級生なのです。もう仕事はリタイヤしてあちこち旅行をしています」
「それはそれは。皆さん仲がよろしいですね。どちらから来ましたか」
「長崎です。長崎といっても大村市で長崎空港があるところです」
「ああ、知っていますよ。長崎空港は1年ほど前に降りたことがあります」
「あそこの男性が旅行に詳しくて、彼はJR全線を完乗しています。ここに来る前、東北新幹線にも乗ってきました」と別のボックスに座っている男性を指差す。
私も自分のことを紹介しようと思ったが、話が長くなりそうなので止めにしたが、最近の鉄道ブームは年齢的に相当な広がりを見せているようだ。全線完乗した人がどれくらいいるのか分からないが、最近は筋金入りのローカル線があらかた廃止されてしまったので、全線完乗のハードルも低くなっている面もあるだろう。その男性の話は止まらなくなり、グループで食べていたお菓子なども私に分けてくれた。
15時45分、深浦着。ここがこの列車の終点だ。先ほどの男性グループはここで迎えのバスで温泉旅館に向った。駅前には冷たい風が吹き荒れている。
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