30年後も永久永遠の時刻表2万キロ
宮脇俊三さんの時刻表2万キロの初版がでたのは1978年のことで、もう31年も前の話になる。ミスターKも高校1年生だったのだ。時刻表2万キロは国鉄全線完乗記でそれ自体も楽しいのだが、それ以上に文章のすばらしさに私は魅かれたのだ。この本との出会いがなければ、鉄道趣味の世界に入ることもなければ、今このブログを書いていることもなかっただろう。
この本は、同じく宮脇修三を師と仰ぐ達靖志氏が、時刻表2万キロと同じ行程を辿って、宮脇俊三氏の足跡を偲ぼうというものである。しかし、出版から30年も経過し、その間の鉄道事情は大きく変わっており、既に廃止になった線も多い。それをどのようにして克服し、当時を偲ぶことができるか。読む前から興味は尽きない。
実際、廃止になった線はバスやタクシーを使って同じ経路を辿っている。あらかじめ予約したタクシーが時間通り来なかったり、乗ったタクシーの運転手が要領を得なくて道をたびたび間違えたりして、はらはらの連続だ。
時刻表2万キロの中で紹介されたエピソードなども忠実に再現しようとしている。たとえば阿仁合線(秋田内陸縦貫鉄道)の中では美人の乗車率を測定したり、旭川駅では駅弁と缶ビールと豚汁を買って食べたりと、宮脇さんとわざわざ同じ行動を行っている。
30年経っても色あせない宮脇文学を改めて感じた次第である。
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